重大事故多発する現状を受け非常事態宣言 2009年4月15日 全国連盟遭難対策部部長 井芹昌二 2009年3月末日にて行方不明2件3名、死亡事故3件3名の事故の報告を受け た。わずか3か月間に起きた重大事故の数は異常事態である。 2009年重大事故の内容は次の通りである。 @1月4日、北海道・無意根山(1460m)で道央地区連盟の女性会員(61歳)が下山 時にパーティとはぐれ、単独行動となり視界不良のため雪庇を踏みぬき5〜6m滑落 する。本人からの携帯電話連絡で生存が確認されたが、悪天候のために救助され た時には死亡していた。 A1月11日12日、長野、山梨県境・鋸岳(2685m)にて東京都連盟男性会員(43歳) が11日、単独で鋸岳へ入山する。予定日を過ぎても下山せず、13日よりヘリによる 捜索、会のメンバーによる捜索が行われたが確認できず行方不明となっている。 B3月10日 群馬県谷川岳で群馬県連盟の男性会員2名(57歳)(53歳)が下山せ ず捜索を行ったが見つからず行方不明となっている。 C3月18日兵庫県六甲山系・蓬莱峡で大阪府連盟の男性会員(67歳)が18日午前 9時ごろ大屏風取り付きで発見される。事故現場状況からフィックスロープをセット し、単独で登坂し、懸垂下降中に何らかの原因で滑落したと推測される(日撃者な し)。検視の結果から死亡推定時間は困難である。 D3月29日 長野県八ケ岳山麓・角木場で東京都連盟の男性会員(49歳)がアイス クライミング訓練、トップロープのセット後、懸垂下降で何らかのミスが生じてグラン ドフォールしたと推測される(目撃者なし)。 労山内での死亡・行方不明者は上記であるが、最近では元会員の死亡事故、重 大事故の報告もある。重大事故に繋がりかねない危険要素を含んだヒヤリハット (インシデント)はかなりの数があると予想される。事故の状況が明確なものについ ては早急に分析をおこない、二度と同じ間違いを繰り返す事の無いように早急に対 策を講じていただきたい。 行方不明者については会を中心に捜索が続けられ、遭難の原因がいずれ明らか にされることと思う。各都道府県連盟・各会の遭難対策担当者は非常事態を全会 員に「対岸の火事」では無いこと知らせていただきたい。 「重大事故は決して起こさない・起こさせない」 ○単独登山は控えよう ○天候判断は的確に ○確かな技術・体力を ○登山計画は綿密に |